ずっと思っていたのだが、「適用」と書くべきところを「適応」と誤用している人が非常に多い。

(誤用例)「セット割引が適応される。」

適用・・・あてはめて用いること。

適応・・・環境に合うように行動や考え方を変えること。

です。

上の誤用例だと、そのまま解釈すると「セット割引が、環境に合うように考え方を変える。」などという意味不明な文になる。この文の書き手は、本当は、「セット割引が、当てはめられる。」と言いたいのだ。つまり「適用」と書くべき文だ。

冒頭でも書いたが、本来、「適用」と書くべきところを「適応」と書いている誤用者が非常に多い。文字数、字、発音の3点とも似通っているからか。

ちょっとネットで検索してみたら分かると思うが、あまりにも誤用が多いので書いてみた。言葉の意味はしっかり理解して使いましょう。

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キーワード: 言葉 誤用 適用 適応


ぼくらは普段、スピード違反を気にしないで走れるアソコのことを、「サーキット」と呼んでいますけど、海外の車系フォーラムなどを読んでいると、「海外で circuit は通じるのかな?」と不安になってきました。

なぜかと言うと、大体が、

track

と書いているからです。

Wikipedia でサーキット相当の言葉を検索してみると、

Race track

と出ました。

一方で、 circuit のページを見てみると、主要な項目には無く、下の方に小さく、「Transportation and racing」の項目にありました。

Nürburgring のページを見ると、 circuit という言葉もちらほら使われていることから、全く使わないわけではなく、日常的には track がよく使われる、ということなのかも知れません。 circuit の方が硬い言葉なのかな?

どうして日本では「サーキット」が定着したんでしょうね?

以前、「日本で数学嫌いが多い深い理由」で書いたように、日本語と英語の数学用語を比べたとき、日本語は、日常生活では使用しない難解な用語を使用しているのに対し、英語は、平易な日常語を用いています。

circuit と track も、 cirtuit の方は難解な用語(主な意味は「閉じた回路」)であるのに対し、 track は「競争する道」という平易な言葉です。

やはり、どうも日本人は、海外から来たものに付ける名前を、普段使わない難解な用語であてる癖があるようです。

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キーワード: サーキット circuit track


ぼくの見解は「のうさくもつ」一択だ。なぜなら、元になる「作物」が「さくもつ」と読むからだ。

辞書で意味を調べても、

「田畑で栽培した植物、農作物。」

とある。これって、ズバリ「農作物」と同じ意味だよね。

他方で、「作物」を「さくぶつ」と読む場合があって、それは、

「絵、彫刻、文章などの作品」

としての場合だ。「著作物」などという場合の読みがこちらにあたる。

このことから、「作物」を「さくもつ」と読むべきであることは、ほとんど自明だ。

ところが、ニュースなどの放送メディアでは、なんとこれを「さくぶつ」と読ませているのだ。農家が作った野菜や穀物が、著作物などの芸術・文化作品だとでもいうのだろうか。なんとも愚かな間違いだと思うのだが、如何なものだろうか。

キーワード: 言葉 作物


欧米に比べ日本で数学嫌いが多かったり、数学的思考力が育ちにくい深い理由が一つある。

それは、用語だ。

まず、黙って日本語の数学用語と対応する英語を列挙してみる。

集合:set:(ひと)組、ひと続き、一式。
実数:real number:実在する、本物の。
関数:function:働き、機能。
級数:series:ひとそろい、一列。
導関数:derived function, derivative:派生させられた、引き出された、派生の、派生物。
数列:sequence:連続、連鎖、ひと続きのもの、順序。
収束:convergent:(一点に)集中する。
発散:divergent:分岐する、異なる。
一次関数:linear function:(直)線の関数、(直)線から成る関数。

いかがだろうか。わかるだろうか。

日本語の用語は、わかりにくいのだ。

理由は明白。言葉だけみて、何を意味するのかがわからない。

対する英語はというと、すこぶるわかりやすい。言葉だけみて、何を意味するかを直感的に理解できる。

なぜ英語はわかりやすいのだろうか。それは、普段使う日常語そのままで、できるだけ平易に、その用語の意味を説明するように、命名されているからだ。対する日本語は、言うまでもないが、普段使わない専用の造語で、できるだけ難しく、その用語の意味がわからないように、命名されている。

つまり、数学用語のネーミングの方向性が正反対であるため、日本で数学を学ぼうとする子ども達全員に、高いハードルが課せられているのだと言いたいのだ。

長ったらしくて申し訳ないが、あらためて比較してみる。

「関数」なんて言われるより、「ある働き、機能のことだよ」と言われるほうがわかりやすい。関数??関所でもあるの??関する数??はい??って感じ。

「級数」なんて言われるより、「ひとそろいの、一列に並んだ数だよ」と言われるほうがわかりやすい。級数?クラスの数??なにそれって感じ。

「導関数」なんて言われるより、「派生させられた関数、派生物だよ」といわれた方がわかりやすい。導関数??導師でも現れて道を説くとか??って感じ??

「集合」なんて言われるより、「一組にまとめた数だよ」と言われた方がわかりやすい。集合??集まれ~~~!!さて、なにが集まるの??って感じ。

「実数」なんて言われるより、「リアルな、実在する数だよ」と言われた方がわかりやすい。実数??実になる数??それとも、不実な数とか不倫してる数とかあるの??って感じ。

「数列」なんて言われるより、「連続した数だよ、一続きに連鎖している数だよ」って言われた方がわかりやすい。数列はただのデタラメな列ではない。あるルールのもと連鎖している数なのだ。完全な誤訳だ。

「収束」「発散」なんて言われるより、「一つの点に集中する、または、異なった数に分岐することだよ」って言われた方がわかりやすい。発散??ストレスでも発散するの??ってかんじ。

「一次関数」なんて言われるより、「直線の関数、直線になる関数だよ」って言われた方がわかりやすい。一次ってなに??最初の関数??なによそれバカみたいってかんじ。

…とまぁ、こんな感じだ。(笑)ちょっと冗談ぽく書いてしまったが、本当にはっきりいって英語の方が万倍わかりやすい。新しい用語を聞いた時点で、すでに意味をかなり把握することができるのと、さっぱり意味不明の音の羅列を与えられてぼんやり瞑想するのとでは雲泥の差だ。

この「あたえられる用語の質の劣悪さ」の問題は、生徒の理解度の差や、生徒の頭の中に構築される数学世界の質に影響する。教師の指導以前の問題として、日本の子どもたちは不幸だ。また教育を担う教師の側も、これらの用語体系で頭の中に数学を構築しなければいけなかった結果物であるから、その理解のシャープさにおいては、比べられると哀しいものがあるだろう。

こんなことを延々とやっているから、いつまでたっても論理的思考力、数学的思考の良い芽を育てるような、養分をぐいぐい吸収していくような教科活動になりづらいのだ。

おそらくこの背景には、数学を本当に理解したい、させたい、という情熱や数学とその用語の付け方の重要性、ひいては、人間の言語活動というものへの深い理解が欠如したまま、何か少しばかりずれた時代的必要性か何かから翻訳だけが先行したような経緯があるのではないか?という気がすごくするが、実際どうなんだろう。

いずれにせよ、このままではいまいち数学力がつかない原因を放置したままになってしまうのではなかろうか。本気で算数的活動、数学力をつけさせたいと思うんなら、こういったインフラというか土台こそ見直して抜本的改革をせねばいかんのとちゃうやろか??

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1: rasa (08/09 22:05)
こんにちは、はじめまして。
多分これらの分かりにくい単語は昔の(というか漢字の意味を把握した)人間にとっては分かりやすく、異義語に同じ言葉をなるべく避けたがる性質からいうと自然なものであったと思います。
それにしたって誤訳が多いのですが、それはまたその話で。
他分野にもいえることですが、こういった時代がかって無理矢理な感じのする翻訳がかなりあるので、私もいつか見直されるといいなとおもいます。
2: 冬星 (08/10 23:32)
本文で書いておりますが、英語は逆に一般平易な言葉を用いています。
用語が指し示す対象の意味がわかりやすいことに主眼をおいています。
ある言葉のもっている意味を拡張するやり方であり合理的です。
脳のネットワークの作られ方を考えてみて欲しいのですが、その方が負担も少なく思考能力の発揮にとって自然ではないでしょうか?
そこが大事な違いなのだと思います。
3: 冬星 (08/11 22:50)
用語がつくられた当時の漢字の意味を用いて名づけた、という部分には同意します。
たとえば「級数」ですが、「級」という漢字には「序列」という意味が含まれているといった塩梅ですね。
異義語に同じ言葉を避ける性質がこの場合に自然(=適切)だったという点と、当時の人にとって分かり易かった(=plain,平易だった)には同意しかねるということです。

【疑問点】
光の混色、色の混色はなぜ混色された色が異なるのか。異ならないはずではないか。

【論旨】
・光の三原色の説明では、赤・緑・青を三原色として、赤+緑=黄、緑+青=シアン、青+赤=紫、赤+緑+青=白、となっている。(加法混色)
・色の三原色の説明では、赤紫・黄・青を三原色として、赤紫+黄=赤、黄+青=緑、青+赤紫=紫、赤紫+黄+青=黒、となっている。(減法混色)

そもそも組み合わされている原色の色合いが等しくないのでややこしいが、要するに、光の混色では、原色を混ぜ合わせていくと色が白に近づいていく(明度が増す)が、色の混色では逆に黒に近づく。(明度が減る)

しかしどうもおかしいと感じる。

「ある色が目に見える」とは、一体どういうことなのか。

色が見えるためには、光が網膜に届かないとならない。届いた光の波長に応じた色を脳が感じるのだ。青いライトの光を見て「青い」と感じるのも、青い色で塗られた絵をみて「青い」と感じるのも、青の波長の光が網膜に届いたという点では等しい。

(A)今、同じ照度の赤色光、緑色光、青色光を光源からスクリーンの同一地点に照射し、スクリーン上に白色光を観測したとする。この場合観察者が白色光を観測するまでの流れはこうなる。

1.赤色光源から赤色光、緑色光源から緑色光、青色光源から青色光の、それぞれの波長をもつ光子がスクリーンに向けて飛び出す。
2.各波長の光子が多数、スクリーンに衝突し、反射する。
3.反射した各波長の光子が、ほぼ同時に観測者の網膜に到達する。
4.網膜上が受けた各波長の光子の合成結果として、「白っぽい色」と脳が認識する。

(B)次に、同じ分量ずつ赤色、緑色、青色の絵の具を混ぜて紙に塗り、十分な環境光のもとで観測したとき、観察者が紙の上にみえる色を観測するまでの流れはこうなる。

1.紙の上に存在する、赤色、緑色、青色の絵の具の粒子に環境光が到達する。
2.赤色粒子から赤色光、緑色粒子から緑色光、青色粒子から青色光の波長をもつ光が反射する。
3.反射した各波長の光子が、ほぼ同時に観測者の網膜に到達する。
4.網膜上が受けた各波長の光子の合成結果として、「黒っぽい色」と脳が認識する。

この場合絵の具の粒子が紙の上に並んでいるさまを表現したが、わかりにくければ、同じ明度かつ同じ直径で、紙の上に非常に細かく隙間無く点描された…と考えてもよろしかろう。

さて、いずれにしても(A)、(B)を比較してどうだろうか。同じ波長の光子が、同じ割合ずつ、観測者の網膜に到達してはいないだろうか。

ではなぜ、にも関わらず、光の場合は白っぽい色に見え、絵の具の場合は黒っぽい色にみえるのか。他の色同士の組み合わせの場合も、なぜ、光の混色と色の混色では結果が異なるのか。

まったくもって不可解だ。幼いころからずっと疑問に思い続けている。本件納得のいく解が見出せずにいる。

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1: りん (06/21 21:49)
2.赤色粒子から赤色光、緑色粒子から緑色光、青色粒子から青色光の波長をもつ光が反射する。

これが間違い。赤インクは「赤い色を出す」のではなく「赤以外の色を吸収」します。
同じ事を言ってるようですが、実は全然違う事に注意。
絵の具をいっぱい混ぜると、あらゆる色が吸収されて、結果として黒になっちゃいます。
(点描された場合も常に減法であると言う意味において一緒)
2: りん (06/22 16:17)
すまん、ちょっと修正。
点描の場合は、モニターも紙も同じになりますね。例えば赤と黄色のタイリングは肌色になる。
昔の、8色や16色時代のタイルペイントで描かれた絵をプリントアウトしても、色は変わったりしないし。

「加法」とか「減法」というのは、あくまで「光を重ねた時」「絵の具を混ぜた時」の事。
3: 冬星 (06/23 08:25)
解説ありがとうございます。むむぅ、色の方は吸収なのですか。
で、すみません…わかりそうで、わかりませんでした。orz
点描(赤と黄色のタイリングの例など)だとなぜOKなんでしょう。もし点描がOKなら、混色した赤と黄色の絵の具も、顕微鏡で拡大してみたら赤絵の具の粒子と黄絵の具の粒子が隙間なく(まだらに)敷き詰められた点描状態です。サイズの違いはありますが本質的に同じなわけで…。
4: りん (06/23 19:30)
粒子一個分の厚みで均一に塗られたら点描と同じになるだろうけど、実際は絵の具は縦方向にも重なるので。
5: 冬星 (06/23 21:44)
なるほど…厚みですか。重なり合って薄い層で混ざりあう色粒子に吸収されると…。
目から鱗です!積年の謎がスッキリしました。やっとコレ明快に答えてくれた方に出会えたました。うぉぉ嬉しいっっっ、ありがとうございます。(涙