前々から切望しつつ実現していないことがある。

3D化されたノベルゲームシステムだ。

秀逸なシステムとして現在はこれらのツールをチェックしている:
吉里吉里
LiveMaker
DNML
NScripter
Yuuki! Novel
YU-RIS

これら今のノベルゲームのシステムは大抵、「レイヤ」という機構をもつ。背景の上に登場人物などの前景を重ね表示するという仕組みであり、アニメのセル重ね合わせの原理なわけだ。フォトショップでも採用されている。凝ったシステムでは、レイヤごとの拡大縮小回転平行移動、乗算加算減算など各種演算重ね合わせなど、いろいろな処理ができたりする。

それは良いのだが、どれも二次元の実装なのだ。それが不満なのだ。

3D化すれば、各レイヤを面ポリゴンとして扱うことで、拡大縮小回転など、たわいもない。いや、3次元空間で表現できるので、遥かに見栄えがする処理が出来る。画質は別として、大雑把に言えばプレミアで作られた動画みたいなものがリアルタイムに各シーンで表現できるようになるわけだ。光源も設定できるし、フォグや遠近法、パーティクル、ブラーなどなど、映像表現としては遥かに良くなる。技術的処理速度的には、既に十分可能になっている。

しかし、3D化されたノベル制作システムが出るのを何年も待っているが、まだ噂を聞かない。

PSG System Laboratoryというところの、月姫打ONLINEという作品に使われたシステムが唯一自分の知っている例外で、3D化されたシステムをもっているようだ。そんなに大げさな表現は使っておらずむしろクールに抑えた表現がかっこよかったが、残念ながら活動をやめてしまったようだ。Age社のシステムでは、雨、雪に関して3D化が確認できる。不十分ではあるが効果的な演出がなされている。

そうこうするうちに、次期WINDOWS(Longhornという名前をもっている)のGUIが3D化されているのを知って感慨深かった。

ノベルゲームシステムを注目してきた視線からすると、アプリケーションの新しい特徴を後でOSが取り入れるという通例が逆転しており、WINDOWS自体が3D化してもアプリケーション側が旧態依然のままというのが滑稽にうつる。もちろん実際はそうではなく、3D映像制作ツールは昔からたくさんでており、OSが後から取り入れられそうなところを取り入れたのは今回も同じなのだが。

一方で、ノベル作品の映像表現自体は、派手になってきている傾向がある。人物を頻繁に動かしたり3D遠近法を取り入れ遠近感を出す作品もある。Fateのように、各種演算を使った重ね合わせを活用して光の表現を追求した作品も出ている。従前の手書き背景に対して、レンダリングされたメカや都市、大地や樹木などの背景利用もかなり浸透してきている。

こういった表現傾向にとって、システムの3D化は飛躍的表現力の向上をもたらすに違いない。雨、雪や蛍を飛ばすにしても、手書きの丸をサインカーブでくねくねさせるものばかりだが、パーティクルを使い3D空間内で飛ばすだけで美しい空間表現が可能であり、現在の2D表現のものとは比較にならない。

本格的に3D化されたノベルシステムの出現を期待する。

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1: 冬星 (09/08 11:04)
今のシステムは基本的にPC98時代の『雫』や『痕』の頃から変わっていないんですよね。
当時は技術を注いだものだったわけです。
今では逆転してこの分野は技術的に保守的すぎます。むしろ8bit16bitの頃の方が必死で技術を使おうとしていた。
確かに脚本が素晴らしければ表現が稚拙でもすごい作品になってしまうんですが、だから「これで十分」は言い訳に聞こえます。
飽きもきていると思う。

星の写真と月の不思議話 2004-09-07 (火) 22:18:02+09:00

日記

M.Yoshida様のサイトで久しぶりに画像を拝見しました。

きれいですね。

M27 あれい星雲、M13 球状星団というのだそうですが、どちらも独特の姿をしてますね。あれい星雲は、どことなくルビーのようです。ガス雲の色かな。球状星団は恒星のすごい集団ですね。

主役も美しいんですが、どちらの画像にも周囲に何個か、十字の光を放っている大きな星が写っていて、それが非常に幻想的です。観ているとなんだかとても懐かしい光のような気がするんですが、子供の頃、夜になって家の灯りに向かって帰っていくときの心情を思い出すからかも知れません。

ところで、月なんですが、月っていつも同じ側しか見えないってホントなんでしょうか。

なんでも、自転と公転の周期がぴったり符丁しているから、いつも必ず地上からは同じ面しか見えなくて、地球からはゼッタイ裏側が見えないんだと子供の頃に教わった記憶があるんですが、まさかまさか、そんなすごい偶然の一致などありますまい、信じられないです。ホントに本当なんですかね~。

それとこれも、子供の頃に聴いたことがある話なんですが…。

月には非常に大きなクレーターがあるんですが、そのクレーターは。比較的近い過去に、かなり巨大な質量をもった小惑星が月に衝突した跡なんだそうで、そのときの影響で地球が氷河期になったとか、月の自転がわずかずつ遅くなるようになったと聞いた記憶があります。ホントなんでしょうかね。もし本当だったら、ずっとずっと先の未来に月の自転は止まるということになりますね。

☆にまつわる郷愁話でした。


これが余震かな。

そして次なるは、台風18号。現在強風にあおられております。きっつーい突風です。
そろそろ近畿圏に最も暴風域が近づいているころあいなのでしょうなぁ。さっそく窓外で簾をかけている針金が吹き飛んで簾が落ちてきました。皆様ご帰宅時には風に気をつけて。


タイミングがいいというか 2004-09-07 (火) 09:58:37+09:00

日記

朝からユキぴょんに、「大?」「大?」と聞かれています。

どこで覚えたの?フロイト流に言えば今「肛門期」のようです。:-)


阪神淡路大震災といえば石綿 2004-09-05 (日) 20:49:14+09:00

日記

神淡路大震災といえば、石綿を思い浮かべます。

あの地震で倒壊した建造物や、その後の解体作業時に、石綿の粉末が大量に周囲の空気中に飛散したそうです。

ご存知ない方のために「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」などの情報をまとめると、石綿はいわゆる「アスベスト」のことで、石膏を固めたような白い固形物です。建物の断熱材や、学校などの天井に綿のように直接吹き付けられたりしてます。身近なところではドライヤーの中身やエアコン、理科室のガスバーナーの実験で使う金属網に白く塗られていたりしますね。そんな風によく使われているんですが、これが少しずつ空気中に繊維状になって飛散していくそうです。

ところが、これが人体にとって非常に危険な物質でして、発ガン性があり、またそれ自身毒性をもっているのですが、飛散した目に見えない粉を肺に吸い込むと、細長い針のような形状をしているため、非常に体外に排出されにくく肺内に沈着してしまうそうです。また、アスベストという言葉が「永遠不滅の」という意味であるとおり、化学的に非常に安定しているため、非常に溶けにくいそうです。肺に入った大抵の物質は、体外に排出されるか溶かされて消失するので問題ないそうなんですが、石綿はそうはいかないそうです。そのため、吸い込んでから30年から40年ほども経ってから症状を引き起こし、欧米では「静かな時限爆弾」と言われているそうです。主に胸膜や腹膜の中皮腫という病気になりやすく、いったん発癌したら予後が悪く治療の方法は現在も無しという状態です。なにしろ原因物質である肺内の石綿を除去するすべが無いわけですから…。それに、沢山吸ったら発病の危険ももちろん高くなるのですが、少なければ大丈夫といういわゆる「閾値」が存在しないことも特徴で、少量でも発癌の恐れがあります。そのためか、肺がんの80%が石綿が関連している、ということです。

こんな風に非常に危険な石綿ですので、アスベストをめぐる歴史をみると、多くの先進国では使用を禁止したり規制したりしていて、カナダは輸入全面禁止措置をとっておりフランスも使用禁止になっているようですが、残念ながら我が日本では現在でも使われ続けているようで、これからの50年で石綿が原因の患者さんの数が非常に増加していくという予測も出ています。

家やビルなどの解体現場の近くに住んでいても影響を受けますので、もしそういうところに住んでいたら、防塵マスクをつけるなどして自衛するように強くおすすめ(strongly recommend)します。静かな時限爆弾から自分の命の時間を守れるのは自分自身だけです。

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1: 冬星 (09/05 21:09)
実はこの記事とかを、重要な記事としてみやすいように別カテゴリーにまとめておきたいんですよね…。
こういう形で書くとは思ってませんでしたが。